Bear Meat

熊肉とは

山の王者が持つ、究極のジビエ

Bear Meat Facts

熊肉の基本データ

0 kcal カロリー(100gあたり)
0 g タンパク質
0 g 脂質
0 万頭 日本の熊 推定生息数

日本最大の陸上野生動物であるヒグマ・ツキノワグマ。
その肉は古来より「山の幸の最高峰」として珍重されてきました。

Cultural Heritage

熊肉の文化と歴史

熊肉は、日本の山岳文化と深く結びついた特別な食材です。 単なる食料を超え、信仰や精神文化の象徴でもありました。

アイヌ文化とイオマンテ
北海道のアイヌ民族にとって、熊(キムンカムイ=山の神)は最も重要な神の一柱でした。 イオマンテ(熊の霊送り)の儀式では、大切に育てた子熊の魂を神の国に送り返すことで 自然への感謝と畏敬を表現しました。熊肉は儀式の中で神聖な食物として分かち合われ、 熊の脂は薬としても珍重されました。この文化は自然との共生の精神を今に伝えています。

マタギの狩猟文化
東北地方を中心に活動したマタギ(伝統的な狩猟者集団)にとって、 熊狩りは生業であり、精神的な修行でもありました。 マタギは独自の山言葉を使い、厳格な掟に従って熊を追いました。 捕獲した熊は「授かりもの」として感謝をもって解体され、 肉は仲間と平等に分配する「ケボカイ」の慣習がありました。 熊の胆嚢(くまのい)は最高級の生薬として珍重され、 時に肉よりも高値で取引されました。

薬効への信仰
熊肉は古くから滋養強壮の食材として信じられてきました。 特に「熊の手」は中国料理で最高級の食材とされ、漢方では熊の胆嚢から取る 「熊胆(ゆうたん)」が万病に効く薬として珍重されました。 熊の脂(ベアグリース)は火傷や切り傷の治療薬、防寒用の塗り油として 山村の暮らしに欠かせないものでした。

Bear in Japanese Culture

熊肉の歴史と文化 ── 信仰と狩猟の深層

熊は日本列島において、単なる狩猟の対象を超えた存在でした。 山岳信仰、精霊崇拝、薬効への期待──熊と人間の関係は、 数千年にわたる深い精神文化の上に成り立っています。 縄文時代の遺跡からは熊の骨で作った道具や装飾品が出土しており、 熊が古代から畏敬と利用の対象であったことを物語っています。

アイヌ文化:キムンカムイとイオマンテ

アイヌ民族にとって熊は「キムンカムイ」(山の神)であり、 最も崇拝される動物神(カムイ)でした。アイヌの世界観では、 カムイ(神)は人間の世界に恵みをもたらすために動物の姿で訪れるとされ、 熊はその中でも最上位の存在です。 イオマンテ(熊の霊送り)は アイヌ文化最大の儀式であり、冬に捕獲した子熊を集落で大切に育て、 成長した後にその魂を神の国(カムイモシリ)に送り返す祭礼でした。 儀式では歌と踊りが奉納され、熊の肉は神聖な食物として参加者全員で分かち合われました。 熊の頭蓋骨は「ヌサ」(祭壇)に祀られ、脂は火傷や傷の治療薬として、 毛皮は防寒具として大切に活用されました。 この儀式は自然からの恵みに対する感謝と畏敬を表現するものであり、 「いただいた命を無駄にしない」というアイヌの精神を象徴しています。 1955年に北海道知事の通達により一時禁止されましたが、 2007年の国連先住民族権利宣言などを経て文化的権利として再評価され、 現在はアイヌ文化の継承活動として行われています。

マタギ文化:山の掟と熊猟の作法

東北地方の奥山を舞台に活動したマタギは、 日本の伝統的狩猟者集団として独自の文化体系を築きました。 秋田県の阿仁(あに)地方を中心に、岩手、山形、新潟など 東北・北陸の山岳地帯に点在していたマタギ集団は、 厳格な掟と儀礼に基づいて熊猟を行いました。 山に入る際には「山言葉」(マタギ言葉)を使い、 日常語とは異なる特別な言葉で意思疎通を図りました。 例えば、熊は「イタチ」「イタズ」、水は「スズ」、米は「アマダレ」など、 山の神に聞かれないよう隠語を用いたとされています。 獲物を捕らえた際には山の神への感謝の祈りを捧げ、 肉は「ケボカイ」(均等分配)の慣習に従って 参加者全員で公平に分けました。この分配の文化は、 山の恵みは個人のものではなく共同体のものであるという マタギの根本思想を反映しています。 現在もマタギの伝統を受け継ぐ猟師は少数ながら活動しており、 秋田県北秋田市の「マタギの里」では文化の保存と継承が行われています。

熊胆(くまのい)── 古来の万能薬

熊の胆嚢を乾燥させた熊胆(くまのい/ゆうたん)は、 東アジアで3000年以上の歴史を持つ伝統的な生薬です。 中国では「熊胆(ゆうたん)」として漢方薬の最高級品に位置づけられ、 消化器系の疾患、解毒、炎症の治療に用いられてきました。 有効成分のウルソデオキシコール酸(UDCA)は、現代医学でも胆石溶解薬や 肝疾患治療薬として認められており、科学的にもその薬効が裏付けられています。 日本でも江戸時代には熊胆は「百薬の長」として珍重され、 マタギにとって熊の胆嚢は肉よりも高値で取引される最も貴重な戦利品でした。 一頭の熊から取れる胆嚢はわずか一つ。乾燥させると数グラムになりますが、 その価値は金にも匹敵するとされました。 現在は合成UDCAが開発されていますが、天然の熊胆を求める需要は 中国や韓国を中心に今なお根強く、熊の保護と薬効利用のバランスが 国際的な課題となっています。

江戸時代の熊肉食:「薬食い」の最高峰

江戸時代、仏教の影響で獣肉食がはばかられる中、 「薬食い(くすりぐい)」として滋養強壮の名目で食べられた獣肉がありました。 猪肉の「ぼたん」、鹿肉の「もみじ」、馬肉の「さくら」など 隠語で呼ばれた獣肉の中でも、熊肉は最も高価で希少な「薬」でした。 特に「熊の掌(くまのて)」は 中国の「八珍」(八つの最高級食材)の一つに数えられ、 将軍家や大名への献上品としても用いられました。 秋田藩の佐竹家は、毎年マタギが捕獲した熊肉や熊胆を 江戸の将軍家に献上する慣例を持っていたと記録されています。 こうした歴史的背景から、秋田県は現在も日本有数の熊肉食文化圏として知られ、 阿仁地方の「熊鍋」は郷土料理として受け継がれています。

Bear Meat Around the World

世界の熊肉食文化

熊肉を食す文化は日本だけではありません。
世界各地に残る熊肉食の伝統をご紹介します。

ロシア:シベリアの熊猟伝統

ロシアでは熊は国の象徴とも言える動物であり、同時に伝統的な狩猟の対象でもあります。 シベリアの先住民族は何千年にもわたって熊を狩り、その肉を食してきました。 熊肉のシャシリク(串焼き)は、 赤身肉を角切りにしてスパイスでマリネし、炭火で焼き上げるロシア流のバーベキュー。 熊の脂身を薄く切って塩漬けにした「サーロ風」の保存食も伝統的に作られています。 また、熊掌のスープはロシア極東部の珍味として、 長時間煮込んでゼラチン質をとろとろに溶かした贅沢な一品です。 現代ロシアでもヒグマの狩猟は合法であり、シベリアやカムチャツカ半島を中心に スポーツハンティングが行われています。

北欧:フィンランド・スウェーデンの合法的熊猟

フィンランドとスウェーデンでは、個体数管理の一環としてヒグマの狩猟が現在も合法的に行われています。 フィンランドでは年間約300頭の捕獲枠が設定され、 厳格な許可制のもとで持続可能な狩猟が管理されています。 北欧では熊肉をシチューにして食べるのが一般的で、 ジュニパーベリーやリンゴンベリーのソースを添えるのが伝統的な組み合わせ。 熊肉のソーセージ(ビョルンコルフ)はスウェーデンの郷土料理として知られ、 鹿肉や豚肉とブレンドして作られることが多いです。 北欧のジビエレストランでは、熊肉のタルタル(生食)を提供する店もありますが、 寄生虫のリスクからトリヒナ検査済みの肉に限定されています。

北米・中国の熊肉食

北米(アラスカ・カナダ)では、 先住民(イヌイット、ファースト・ネーションズ)が何千年にもわたって 熊を食料源としてきました。アラスカではブラックベアの春の狩猟シーズンが設けられ、 アメリカ本土でも多くの州でブラックベアの管理狩猟が合法です。 北米流の食べ方は、スロークッカーで数時間煮込む「プルドベア」(ほぐし熊肉)や、 チリコンカンに混ぜるスタイルが人気。 中国では「熊掌(ゆうしょう)」が古来より 最高級食材として珍重されてきました。孟子の時代(紀元前4世紀)から 「魚も欲しいが熊掌も欲しい(魚与熊掌不可兼得)」ということわざがあり、 熊掌が究極の贅沢品であったことがわかります。 しかし現在は、ワシントン条約(CITES)による国際的な規制と 中国国内の野生動物保護法により、野生熊の捕獲と熊掌の売買は厳しく制限されています。

国・地域 熊の種類 代表的な料理 狩猟の合法性
日本 ヒグマ・ツキノワグマ 熊鍋、熊汁、味噌漬け焼き 許可制
ロシア ヒグマ シャシリク、熊掌スープ 合法(許可制)
フィンランド ヒグマ シチュー、ソーセージ 合法(枠制限)
北米(米国・カナダ) ブラックベア・グリズリー プルドベア、チリ 州により異なる
中国 ツキノワグマ 熊掌料理(歴史的) 原則禁止

Species Comparison

ツキノワグマとヒグマの詳細比較

同じ「熊肉」でも、種による違いは想像以上に大きい。
食性・体格・肉質の違いを詳しく比較します。

日本に生息する2種類の熊──ツキノワグマとヒグマ──は、 生物学的にも食材としても全く異なる特性を持っています。 ツキノワグマ(本州・四国)は主に木の実やドングリ、山菜、昆虫を食べる 植物食寄りの雑食性で、体重は成獣のオスで60〜120kg程度。 一方のヒグマ(北海道)はサケやマス、鹿の死骸なども積極的に食べる 動物食の割合が高い雑食性で、大型のオスは300〜400kgにも達します。

比較項目 ツキノワグマ ヒグマ
生息域 本州・四国の山地 北海道全域
体重(オス) 60〜120kg 150〜400kg
主な食性 木の実・昆虫・山菜(植物食寄り) サケ・果実・鹿・昆虫(動物食多め)
肉質 赤身が強くやや硬い 脂のりが良くジューシー
脂の質と量 脂身は薄め。さっぱりした味 皮下脂肪が厚い。甘みのある上質な脂
風味の特徴 穏やかで食べやすい サケ食の影響で独特の魚臭あり
獣臭の強さ 中程度(個体差大) 強め(サケ食期は特に)
入手難易度 非常に困難 困難(ツキノワグマよりはやや入手しやすい)
価格帯(1kgあたり) 5,000〜15,000円 3,000〜10,000円

食性が肉質を決める

熊肉の味わいを最も大きく左右するのは、その個体が何を食べて育ったかです。 ドングリや木の実を主食としたツキノワグマの肉は比較的穏やかな風味で、 脂も淡泊で食べやすい傾向があります。一方、サケやマスを大量に食べた秋のヒグマは、 脂に魚由来の独特な風味が移り、好みが分かれるところです。 しかし、ドングリや山ぶどうを食べて脂を蓄えたヒグマの肉は、 甘みがあり上質な味わいで「最高のジビエ」と評されることもあります。 同じ種でも食性と季節によって全く異なる味になる── それが熊肉という食材の奥深さであり、最大の面白さでもあります。

Cuts Guide

熊肉の部位別ガイド

熊肉は部位によって味も食感も大きく異なります。
それぞれの部位の特性と最適な調理法を解説します。

ロース(背肉)

熊肉の中で最も上質な部位です。赤身と脂のバランスが良く、 きめ細かい肉質でステーキや焼肉に最適。 秋の脂ののった個体のロースは、甘みのある脂と 野生特有の旨味が凝縮された最高級の味わいです。 厚切りにしてニンニクと塩胡椒でシンプルに焼き上げるのがおすすめ。 ただし必ず中心温度75℃以上まで加熱してください。 一頭から取れる量が限られるため、最も高値で取引される部位です。

バラ(腹肉)

皮下脂肪が最も厚い部位で、冬眠前の秋には 数センチもの脂肪層を蓄えていることがあります。 濃厚でコクのある味わいは熊鍋の主役。 薄切りにして味噌仕立ての鍋に入れると、 脂がスープに溶け出して極上のコクを生み出します。 煮込み料理との相性も抜群で、長時間煮ることで 脂の甘みと赤身の旨味が一体となった深い味わいに仕上がります。 カロリーは高めですが、寒冷地で体を温める料理として理にかなった食材です。

モモ・肩肉

赤身が多くやや硬めですが、旨味成分が最も豊富な部位の一つ。 シチューやカレーなどの煮込み料理に最適で、 2〜3時間じっくり煮込むことで硬い筋繊維がほぐれ、 ほろほろと崩れる柔らかさに変わります。 赤ワイン煮込みにする場合は、角切りにして前日から 赤ワインとスパイスでマリネしておくと獣臭が軽減され、 深みのある味わいに仕上がります。 一頭から最も多く取れる部位のため、比較的入手しやすい部位です。

熊掌・熊脂(くまあぶら)

熊掌(くまのて)は コラーゲンの塊であり、数時間の下処理(毛抜き、煮こぼし)の後、 8〜12時間以上煮込むことでゼラチン質がとろとろに溶け出し、 フカヒレやスッポンに似た食感と濃厚な味わいが楽しめます。 中華料理の最高級食材ですが、日本で提供するレストランは極めて稀です。 熊脂(くまあぶら)は 融点が約25℃と低く、常温で半液体状になる上質な脂。 料理の風味づけや保存食の被覆に使われるほか、 古来より保湿クリームや整髪料として美容にも利用されてきました。 現在もアウトドア用品として「ベアグリース」の名で販売されており、 防寒・保湿効果が高いとされています。

部位 特徴 おすすめ調理法 希少度
ロース(背肉) 赤身と脂のバランス良好 ステーキ、焼肉 最高
バラ(腹肉) 脂が厚く濃厚 熊鍋、煮込み
モモ・肩肉 赤身多め、旨味が強い シチュー、カレー、赤ワイン煮
スネ肉 筋が多いが煮込むと絶品 長時間煮込み、スープ
熊掌(手) コラーゲンの塊 超長時間煮込み(8h以上) 極高
熊脂 融点が低く上質 炒め油、保湿剤、保存食被覆

Two Species

ヒグマとツキノワグマの違い

日本に生息する熊は2種類。
それぞれ体格も味わいも大きく異なります。

ヒグマ(羆)

Ursus arctos | 北海道

生息地 北海道全域
体重 150〜400kg(オス)
推定生息数 約1万2千頭
食性 雑食(サケ・果実・鹿)
肉の特徴 脂のりが良い

日本最大の陸上野生動物。サケを主食とする秋のヒグマは特に脂がのり、 その肉は甘みのある上質な味わい。一頭から大量の肉が取れるため、 ジビエとしての流通量はツキノワグマより多い。 近年は北海道での人身被害が増加し、駆除個体の有効活用が課題に。

ツキノワグマ(月輪熊)

Ursus thibetanus | 本州・四国

生息地 本州・四国の山地
体重 80〜120kg(オス)
推定生息数 約2万〜2万5千頭
食性 雑食(木の実・昆虫中心)
肉の特徴 赤身が多い

胸に三日月型の白い模様が特徴的。ヒグマより小柄で、 木の実やドングリを主食とするため、肉質はやや硬めで赤身が強い。 マタギ文化の主な狩猟対象。四国では絶滅が危惧されており、 狩猟が禁止されている地域もあります。

※ 九州のツキノワグマは既に絶滅したとされています。
四国でも推定生息数は十数頭と絶滅の危機にあり、保護が最優先です。

Nutrition Comparison

栄養比較表

熊肉・鹿肉・猪肉・牛肉の栄養価を比較。
鹿肉の圧倒的な低カロリーが際立ちます。

栄養素(100gあたり) 熊肉 エゾ鹿肉 猪肉 牛肉(もも)
カロリー 250 kcal 110 kcal 268 kcal 182 kcal
タンパク質 20.0 g 22.3 g 18.8 g 19.5 g
脂質 18.0 g 1.5 g 19.8 g 10.7 g
鉄分 3.0 mg 3.4 mg 2.5 mg 2.7 mg
ビタミンB1 0.30 mg 0.20 mg 0.24 mg 0.10 mg
コラーゲン 非常に豊富 やや少ない 豊富 部位による

※ 熊肉の栄養価は個体差・季節差が非常に大きく、上記は概算参考値です。
カロリー・脂質の面では鹿肉が圧倒的に優位。
熊肉は脂質が多い分、コラーゲンや脂溶性ビタミンが豊富な傾向にあります。

Flavor Profile

熊肉の味わい

🍂

季節変化が最も大きい

熊肉はジビエの中でも季節による味の差が最も大きい食材です。 冬眠前の秋(9月〜11月)は木の実やサケを大量に食べて脂肪を蓄え、 肉は甘みのある上質な味に。一方、春の冬眠明け直後は脂が落ち、 赤身が強く野性的な風味が前面に出ます。

🥑

独特の風味

熊肉には他のジビエにない独特の「獣臭」があります。 特にオスの個体や発情期の肉は風味が強くなります。 この獣臭は好みが分かれますが、ファンにとっては唯一無二の魅力。 適切な血抜きと下処理で臭みを軽減し、 ニンニクやスパイスとの組み合わせで野性味を活かすのが上手な食べ方です。

🍴

部位による違い

ロース:最も上質で柔らかい部位。脂と赤身のバランスが良い。
もも肉:赤身が強く弾力あり。煮込み向き。
バラ(腹):脂が多く濃厚。鍋物に最適。
熊の手:中華料理の最高級食材。コラーゲンの塊。
熊の脂:融点が低く、料理の風味づけや保存食に重宝。

Classic Dishes

熊肉の代表的な料理

熊肉は長時間煮込む料理との相性が抜群。
硬い肉質をとろとろに変える調理がポイントです。

熊鍋

東北地方のマタギ伝統料理の代表格。薄切りにした熊肉を味噌仕立ての出汁で ゴボウ、キノコ、ネギ、豆腐と一緒に煮込みます。 熊の脂がスープに溶け出し、体の芯から温まる冬の極上料理。 味噌が熊肉の獣臭を和らげ、コクのある絶品スープに仕上がります。 秋田県の阿仁地方では今もマタギの宿で提供されています。

おすすめの部位:バラ肉、もも肉(薄切り)

熊汁

熊鍋よりもシンプルで日常的な料理。熊肉を味噌汁に仕立てたもので、 大根、ニンジン、こんにゃくなどの根菜と煮込みます。 マタギが山中で作る「山飯」の原型ともいえる素朴な味わい。 熊の脂が味噌汁にコクを与え、一杯で驚くほどの満足感があります。 寒冷地の冬の栄養補給として理にかなった料理です。

おすすめの部位:肩肉、もも肉(角切り)

熊肉の焼肉・ステーキ

秋の脂ののったヒグマのロースは、ステーキにすると絶品です。 ニンニクと塩胡椒でシンプルに焼き上げ、 ワサビ醤油やポン酢でいただくのが通の食べ方。 脂の甘みと赤身の野性的な旨みを直に味わえます。 ただし必ず十分に加熱すること。レアやミディアムレアは厳禁です。

おすすめの部位:ロース(厚切り)

熊肉のシチュー・赤ワイン煮

洋風の調理法も熊肉と好相性。赤ワインとともに3〜4時間じっくり煮込むことで 硬い筋繊維がほろほろと崩れる柔らかさに変わります。 ローリエ、タイム、ジュニパーベリーなどのハーブが獣臭を抑え、 ヨーロッパの伝統的なジビエ料理のような深みのある味わいに。 冬のおもてなし料理にぴったりの一品です。

おすすめの部位:肩肉、スネ肉(角切り)

Rarity & Price

入手の難しさと価格

熊肉はジビエの中でも最も入手が難しく、価格も高額です。 その希少性を理解した上で、特別な体験として楽しむ食材です。

💰

超高額な市場価格

熊肉の相場は1kgあたり3,000〜10,000円。 希少な部位(ロース、手)はさらに高額になります。 秋の脂ののった良質な個体はプレミアム価格がつき、 1kgあたり15,000円を超えることも。 牛肉の高級部位に匹敵するか、それ以上の価格帯です。

😷

圧倒的な希少性

熊は鹿や猪と比べて個体数が少なく、捕獲も危険を伴います。 年間の捕獲数はヒグマ約800頭、ツキノワグマ約3,000〜4,000頭程度。 鹿の年間捕獲数(約60万頭)と比較すると その希少さは歴然です。流通量が極端に少ないため、 一般のスーパーではまず見かけません。

🤝

入手ルート

猟師との直接取引が最も確実な入手方法。 ジビエ専門の通販サイトでも取り扱いがありますが、 シーズン中でも在庫が不安定です。 北海道や東北の道の駅・直売所で見つかることも。 レストランで味わうなら、ジビエ専門店や マタギの宿が確実です。

Safety Warning

安全性と注意点

熊肉には特有の食中毒リスクがあります。
必ず十分な加熱を行ってください。

トリヒナ(旋毛虫)のリスク。熊肉最大の食品安全リスクがトリヒナ症(旋毛虫症)です。 寄生虫の幼虫が筋肉内に潜み、不十分な加熱で感染すると 発熱・筋肉痛・下痢などの症状を引き起こします。 日本でも2016年に北海道で熊肉由来の集団感染が報告されています。
中心温度75℃以上で十分加熱。トリヒナの幼虫を確実に死滅させるため、 肉の中心部が75℃以上に達するまで加熱してください。 レア、ミディアムレアは絶対に避けてください。 煮込み料理が推奨される理由の一つです。冷凍でも完全な死滅は保証されません。
E型肝炎ウイルスにも注意。熊肉からE型肝炎ウイルスが検出された報告があります。 こちらも十分な加熱で不活化できます。 生食や加熱不十分な状態での摂取は絶対に避けてください。
信頼できるルートから入手。適切な解体処理と衛生管理がされた肉を選びましょう。 認可を受けた食肉処理施設で解体されたものが安心です。 個人間取引では処理状態の確認が難しいため注意が必要です。
調理器具の衛生管理。熊肉を切った包丁やまな板は他の食材に使い回さず、 しっかり洗浄・消毒してください。生肉を触った手も必ず洗いましょう。

Bear vs Venison

熊肉と鹿肉の比較

究極の贅沢ジビエと、日常に寄り添う万能ジビエ。
それぞれの立ち位置は明確に異なります。

熊肉の位置づけ

究極の贅沢品・体験型ジビエ

  • 圧倒的な希少性。年間捕獲数はわずか数千頭。入手自体が困難
  • 高額な価格。1kgあたり3,000〜10,000円。特別な日のための食材
  • 強い個性。独特の風味と脂の甘みは唯一無二の体験
  • 食のリスクが高い。トリヒナなど寄生虫リスクに細心の注意が必要
  • 文化的な価値。アイヌ・マタギの精神文化と深く結びつく

エゾ鹿肉の位置づけ

日常に取り入れやすい万能ジビエ

  • 安定した供給。年間約60万頭の捕獲で通年入手可能
  • 手頃な価格帯。通販で気軽に購入でき、日常の食卓で楽しめる
  • 圧倒的な低カロリー。110kcal・脂質1.5gは全食肉中トップクラス
  • 調理の幅広さ。ステーキ・煮込み・カレー・ハンバーグなど万能
  • 環境への貢献。食害対策としての駆除個体の有効活用

熊肉は「一生に一度は味わいたい究極のジビエ」。
その貴重な体験を追い求めるのもジビエの醍醐味です。
一方、日々の健康を支えるジビエとしては、
低カロリー・高タンパクのエゾ鹿肉が最適解です。

FAQ

よくあるご質問

一般のスーパーではほぼ取り扱いがありません。 入手方法としては、(1) ジビエ専門の通販サイト、(2) 猟師や狩猟組合からの直接購入、 (3) 北海道や東北の道の駅・直売所、(4) ジビエ専門レストランで味わう、 などがあります。ただしシーズン(秋〜冬)以外は在庫が非常に不安定です。 確実に味わいたい場合は、秋田県の阿仁エリアや北海道のマタギの宿を訪れるのがおすすめです。

熊肉の獣臭を軽減する方法はいくつかあります。 (1) 流水で十分に血抜きする(1〜2時間)、 (2) 日本酒または赤ワインに半日ほど漬け込む、 (3) 味噌に漬けて一晩おく(味噌漬けはそのまま焼いても美味)、 (4) ニンニク、生姜、ネギなど香味野菜と一緒に煮込む、 (5) スパイス(ローリエ、ジュニパーベリー、タイム)で香りをつける。 特に味噌との相性が良く、味噌仕立ての鍋や汁物は獣臭対策の王道です。

熊肉に寄生するトリヒナ(旋毛虫)については、 マイナス15℃で3週間以上の冷凍で死滅するという研究報告がありますが、 家庭用冷凍庫では温度が安定しないため、 冷凍だけで安全とは言い切れません。 厚生労働省は冷凍に頼らず、十分な加熱(中心温度75℃以上)を 推奨しています。冷凍はあくまで補助的な対策と考え、 必ず加熱を行ってください。

熊の手(熊掌)は中国では古来「八珍」の一つに数えられる最高級食材です。 コラーゲンの塊であり、長時間煮込むとゼラチン質がとろとろに溶け出し、 フカヒレやスッポンに近い食感と濃厚な味わいが楽しめます。 ただし、処理に非常に手間がかかり(毛を抜き、何度も煮こぼす必要がある)、 入手も極めて困難。日本で提供するレストランはごくわずかです。 味そのものよりも、「食の頂点を体験する」という意味合いが強い食材です。

初めてジビエを食べるなら、断然鹿肉がおすすめです。 理由は、(1) クセが少なく食べやすい、(2) 通販で簡単に入手できる、 (3) 価格が手頃、(4) ステーキやカレーなど慣れた料理で楽しめる、 (5) 食品安全リスクが熊肉より低い、などです。 熊肉は独特の獣臭と強い個性があり、ジビエ初心者には ハードルが高い食材。まずは鹿肉でジビエの魅力を知ってから、 熊肉という「上級編」に挑戦するのが王道のルートです。

まずは、鹿肉からジビエの世界へ

熊肉は究極の贅沢ジビエ。その体験を夢見つつ、
まずは日常に取り入れやすいエゾ鹿肉で
ジビエのある豊かな食生活を始めてみませんか。

エゾ鹿肉の商品一覧を見る

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ジビエトレーサビリティー

Traceability

デジタルトレーサビリティへの取り組み

安全で信頼できるジビエをお届けするために、私たちは捕獲から加工までの全工程をデジタル記録するトレーサビリティシステムを導入しています。

提携ハンターには専用アプリ「ジビエトレーサビリティー」を無料で配布し、捕獲日時・GPS位置情報・個体情報の記録を推進しています。記録されたデータはQRコードと紐づけられ、処理施設での受入から加工・出荷まで一貫した追跡が可能です。

※ 現在、一部の提携ハンターから順次導入を進めており、すべての個体にデジタル記録が付いているわけではありません。今後、対応ハンターの拡大を進めてまいります。

01

捕獲記録

ハンターがアプリで捕獲日時・GPS位置情報・個体写真を現場から即時記録。QRコードが自動発行されます。

02

受入・検査

処理施設でQRコードを読み取り、受入検査を実施。ランク評価・部位別管理・加工記録をデジタルで一元管理します。

03

出荷・追跡

加工から出荷まで全工程が記録され、どの個体がいつ・どこで捕獲され、どのように処理されたかを追跡できます。

「ジビエトレーサビリティー」アプリは提携ハンター向けに無料提供しています

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