Ezo Deer & Shintoku

北海道エゾシカと新得町

十勝・新得町が育むエゾシカの恵み

Cervus nippon yesoensis

エゾシカとは

搬入されるエゾシカ

北海道固有のニホンジカ亜種

エゾシカ(Cervus nippon yesoensis)は、北海道にのみ生息するニホンジカの亜種です。本州以南に生息するホンシュウジカに比べて体が大きく、オスは体重150kg以上に達することもあります。

春から秋にかけて草本類や農作物を食べ、冬はササや樹皮を食料とします。北海道の厳しい冬を乗り越えるために脂肪を蓄え、秋に最も体調が良くなります。この時期のエゾシカの肉が、最も美味しいと言われています。

分布

北海道全域に生息。特に道東・道北・十勝地方に多く分布。推定個体数は約72万頭(令和3年度)。

体格

オス:体長約150cm、体重100〜150kg。メス:体長約130cm、体重60〜80kg。ホンシュウジカの1.5〜2倍の大きさ。

秋(9〜11月)が最も肉質が良い時期。夏の間に十分な栄養を蓄えた個体は、脂が適度にのり、赤身にも深い旨みがある。

Shintoku Town

新得町について

上田精肉店店主

十勝の北端に位置する自然豊かな町

新得町は、北海道十勝地方の北部に位置し、大雪山国立公園の南麓に広がる町です。面積は約1,064平方キロメートルと、十勝管内で最も広い面積を有しています。

町の約90%が森林で覆われ、トムラウシ山を源流とする清流が流れる、自然に恵まれた環境です。酪農や畑作が盛んで、新得そばは全国的に知られています。

この豊かな自然環境がエゾシカを育み、上田精肉店の「秋恵鹿」ブランドの源となっています。新得町で捕獲されたエゾシカは、上田精肉店が所有するHACCP対応の自社処理施設で速やかに加工・処理され、鮮度の高い鹿肉として出荷されます。

Issues & Challenges

エゾシカと北海道の課題

HACCP対応の加工施設

増え続けるエゾシカと深刻な被害

エゾシカの個体数は、天敵のエゾオオカミが絶滅して以降、増加の一途を辿っています。北海道が進めてきた捕獲事業にもかかわらず、推定個体数は依然として高い水準にあります。

農林業被害額:年間約39億円(北海道)

農作物の食害、植林地の樹皮剥ぎ、交通事故の原因など、エゾシカによる被害は多岐にわたります。特に冬季、食料が不足する時期に被害が集中します。

求められる「共生」の視点

エゾシカは北海道の生態系の一部です。駆除するだけでなく、適切な個体数管理と資源としての有効活用を両立させることが、持続可能な共生のかたちです。

EZO DEER

Sustainable Gibier

ジビエとしての活用

エゾシカを「害獣」ではなく「食資源」として捉え直す。それが、私たちの考えるサステナブルな取り組みです。

食品ロスの削減

捕獲されたエゾシカの多くは、従来は廃棄処分されていました。ジビエとして食肉に加工し流通させることで、貴重な動物資源を無駄なく活用できます。

地域経済の活性化

鹿肉の加工・販売は、地方の雇用創出と経済循環に貢献します。新得町の処理施設は、地元の猟師や関連事業者にとって重要な収入源となっています。

生態系の保全

適切な捕獲による個体数管理は、森林や農地の保全につながります。エゾシカの過剰増加を防ぐことで、生物多様性の維持にも寄与します。

環境負荷の低減

野生の鹿肉は、飼料生産や畜舎管理を必要としません。畜産に比べて温室効果ガスの排出が少なく、環境負荷の小さいタンパク源です。

Four Seasons of Ezo Deer

エゾシカの四季

エゾシカは北海道の四季とともに、その姿・体質・肉質を大きく変化させます。季節ごとの特徴を知ることで、鹿肉の「旬」への理解がより深まります。

春(4〜5月)― 再生の季節

長い冬を乗り越えたエゾシカは、雪解けとともに活動を再開します。オスは前年の秋に落とした角が再び生え始め、「袋角」と呼ばれる柔らかいビロード状の皮膚に覆われた新しい角を成長させます。メスはこの時期に出産を迎え、新しい命が森に加わります。冬の間に蓄えた脂肪を消費しているため、春のエゾシカは体重が最も軽く、肉質はやや淡白です。

夏(6〜8月)― 鹿の子模様の季節

夏毛に生え変わったエゾシカの体には、美しい白い斑点「鹿の子模様」が現れます。これは森の木漏れ日に紛れるための保護色です。豊富な草本類や若葉を食べて栄養を蓄え始める時期で、筋肉量が増加し始めます。オスの角は急速に成長し、8月末には角の皮膚が剥がれ落ちて硬い骨質の立派な角が完成します。肉は赤身が強く、鉄分豊富な味わいが特徴です。

秋(9〜11月)― 最高の肉質

秋はエゾシカの肉が最も美味しくなる、まさに「旬」の季節です。夏の間に十分な栄養を蓄えた個体は、皮下脂肪と筋間脂肪が適度にのり、赤身には深い旨みと甘みが凝縮されます。オスは繁殖期(ラッティングシーズン)を迎え、立派な角を誇示してメスを巡り競い合います。森にはオスの甲高い鳴き声が響き渡ります。上田精肉店の「秋恵鹿」は、この最高の時期に捕獲されたエゾシカを使用しています。

冬(12〜3月)― 厳冬のサバイバル

氷点下20度を下回ることもある北海道の冬は、エゾシカにとって過酷な試練です。地面が深い雪に覆われると食料の確保が困難になり、ササや樹皮を食べて飢えをしのぎます。体毛は密度の高い冬毛に生え変わり、鹿の子模様は消えて灰褐色の均一な色合いになります。エネルギー消費を抑えるため活動量を減らし、群れで固まって越冬します。この時期は農林地への食害被害が深刻化する時期でもあります。

Geography & Climate

新得町の地理と気候

新得町の自然風景

大雪山系と十勝平野が交わる恵みの地

新得町は、北海道の屋根と称される大雪山系の南端に位置し、日本百名山のひとつであるトムラウシ山(標高2,141m)を町域に擁します。西部から北部にかけては険しい山岳地帯が連なり、東部は広大な十勝平野へと続くなだらかな丘陵地が広がります。この山と平野の境界に位置する地形こそが、多様な植生とエゾシカの豊かな生息環境を生み出しています。

町内にはパンケニコロベツ川、ペンケニコロベツ川、佐幌川など複数の清流が流れ、十勝川の支流として合流します。これらの河川がもたらすミネラル豊富な水は、流域の植物を育て、それを食べるエゾシカの肉質にも良い影響を与えています。

上質なエゾ鹿肉

寒暖差が生む、質の高い鹿肉

新得町の気候は内陸性で、夏は30度近くまで上がり、冬は氷点下20度以下にまで冷え込む、年間の寒暖差が50度にも達する厳しい環境です。降雪量も多く、積雪は1メートルを超えることもあります。

この寒暖差の大きさが、エゾシカの肉質を高める重要な要因です。短い夏の間に豊富な草本類や木の実を食べて栄養を蓄え、厳しい冬に備えて脂肪を蓄積するエゾシカは、秋に最も充実した体となります。寒冷な気候で育ったエゾシカは筋肉の繊維が細かく引き締まり、余分な脂肪が少ない赤身主体の上質な肉質になります。新得町の大自然が時間をかけて育んだエゾシカは、高たんぱく・低脂肪・鉄分豊富という鹿肉の長所を最大限に発揮した、まさに自然の恵みと言えるでしょう。

History of Deer Hunting

エゾシカ猟の歴史

鹿肉ステーキ

アイヌ民族とエゾシカの共生

北海道の先住民族であるアイヌの人々にとって、エゾシカ(アイヌ語で「ユク」)は最も重要な食料資源のひとつでした。肉は干し肉や煮込み料理として食され、毛皮は衣服や敷物に、骨や角は道具や装飾品の材料として、一頭を余すところなく活用していました。アイヌの人々は必要な分だけを捕獲し、自然の恵みに感謝する「イオマンテ」の精神で、エゾシカと持続可能な関係を築いていました。

明治時代の乱獲とエゾオオカミの絶滅

明治時代に入ると、開拓の進展とともにエゾシカの大規模な狩猟が行われました。毛皮や角は輸出品として高値で取引され、鹿肉は開拓民の貴重なタンパク源となりました。しかし、無秩序な乱獲によりエゾシカの個体数は激減。一方で、家畜を襲うとして駆除の対象となったエゾオオカミは1900年頃に絶滅し、エゾシカの天敵がいなくなりました。

エゾ鹿肉の活用

個体数爆発と現代の管理

天敵の消滅と保護政策により、20世紀後半からエゾシカの個体数は急速に回復・増加しました。1990年代には農林業被害が深刻化し、北海道は「エゾシカ保護管理計画」を策定。捕獲数の目標を設定し、計画的な個体数管理を進めてきました。近年は年間10万頭以上が捕獲されていますが、推定個体数は依然として高い水準にあります。

ジビエ利活用への転換

2010年代以降、捕獲したエゾシカを廃棄するのではなく、食肉(ジビエ)として有効活用する動きが加速しています。北海道はエゾシカ肉の衛生処理マニュアルを整備し、認証施設制度を設けることで、安全で高品質な鹿肉の流通を推進しています。「害獣駆除」から「資源の利活用」へ――エゾシカ猟の歴史は、人と自然の関係を見つめ直す歩みでもあります。

SHINTOKU

Ueda Meat Shop & Shintoku

上田精肉店と新得町

新得町の自然、地元の猟師、そしてHACCP対応の自社処理施設。上田精肉店の鹿肉は、この三位一体の信頼関係から生まれます。

丁寧な食肉加工

地元猟師との信頼で結ばれたネットワーク

上田精肉店は、新得町およびその周辺地域の経験豊富な猟師と長年にわたる信頼関係を築いてきました。猟師たちは、エゾシカの習性や地形を熟知したベテラン揃い。捕獲後すぐに適切な血抜き処理を施し、鮮度が落ちる前に上田精肉店の処理施設へ搬入します。この「捕獲から搬入までの時間の短さ」が、臭みのない高品質な鹿肉を実現する最大のポイントです。

HACCP対応の自社処理施設

上田精肉店が所有するHACCP(ハサップ)対応の自社処理施設は、食品の安全性を科学的に管理する国際基準に準拠しています。搬入されたエゾシカは、温度管理の徹底された環境で速やかに解体・精肉されます。受け入れから出荷まで、すべての工程で衛生管理記録を作成し、トレーサビリティ(追跡可能性)を確保。鹿肉の安全性に対する不安を払拭するため、第三者機関による定期的な検査も受けています。

捕獲から食卓までの一貫管理

多くのジビエ製品は、猟師・処理業者・販売者がそれぞれ異なるため、品質管理にばらつきが生じがちです。しかし上田精肉店では、信頼できる猟師からの仕入れ、自社施設での処理、そして直接販売までを一貫して行うことで、すべての工程における品質を厳密にコントロールしています。この「産地直送」を超えた「一貫管理」の体制こそが、上田精肉店の鹿肉が他にはない品質を誇る理由です。

FAQ

よくある質問

エゾシカ肉は臭みがありますか?

適切に処理されたエゾシカ肉には、ほとんど臭みはありません。鹿肉の臭みの原因は、捕獲後の血抜き処理の遅れや不適切な温度管理にあります。上田精肉店では、捕獲後すぐに血抜きを行い、HACCP対応の自社処理施設で速やかに解体・精肉するため、臭みのないクリーンな味わいの鹿肉をお届けしています。初めて鹿肉を召し上がる方からも「臭みがまったくない」「牛肉よりもあっさりしていて食べやすい」との感想を多くいただいています。

エゾシカ肉の旬はいつですか?

エゾシカ肉が最も美味しいのは秋(9月〜11月)です。夏の間に豊富な草本類や木の実を食べて十分な栄養を蓄えたエゾシカは、秋に体重がピークに達し、適度な脂肪がのった最高の肉質になります。この時期のエゾシカは赤身に旨みが凝縮され、ほどよいコクと甘みが感じられます。上田精肉店の「秋恵鹿」ブランドは、まさにこの旬の時期に捕獲されたエゾシカを厳選して使用しています。なお、冷凍技術の向上により、旬の時期に捕獲・処理した鹿肉を通年でお楽しみいただくことも可能です。

新得町はどこにありますか?

新得町は北海道のほぼ中央、十勝地方の北部に位置する町です。帯広市から車で約1時間、札幌市からは車で約3時間の距離にあります。大雪山国立公園の南麓にあたり、日本百名山のトムラウシ山を町域に擁する自然豊かな町です。面積は約1,064平方キロメートルと十勝管内で最大で、その約90%が森林に覆われています。新得そばの産地としても全国的に有名で、町内には数多くのそば店が点在しています。

エゾシカ肉の安全性は大丈夫ですか?

上田精肉店のエゾシカ肉は、HACCP(ハサップ)対応の自社処理施設で厳格な衛生管理のもとに処理されており、安心してお召し上がりいただけます。受入検査・解体・精肉・保管・出荷の全工程で温度管理と衛生管理を徹底し、トレーサビリティも確保しています。また、北海道が定める「エゾシカ衛生処理マニュアル」に準拠した処理を行っています。鹿肉の安全性について詳しくは、鹿肉の安全性と衛生管理のページをご覧ください。なお、鹿肉は必ず十分に加熱してからお召し上がりください。

エゾシカの栄養価は?

エゾシカ肉は、高たんぱく・低脂肪・低カロリーの優れた食材です。100gあたりのタンパク質は約23gと牛肉や豚肉を上回り、脂質はわずか約1.5gと非常に少ないのが特徴です。また、鉄分は牛もも肉の約2倍と非常に豊富で、貧血予防にも効果的です。さらに、カルニチンやDHA、亜鉛などの栄養素も含まれており、アスリートや健康志向の方にも注目されています。詳しい栄養データは、鹿肉の栄養成分と健康効果のページで解説しています。

エゾシカは害獣なのですか?

エゾシカは本来、北海道の生態系を構成する重要な野生動物です。しかし、天敵であったエゾオオカミが明治時代に絶滅したことで個体数が急増し、農作物への食害、森林の植生破壊、交通事故の増加など、人間の生活や自然環境に深刻な影響を及ぼすようになりました。北海道全体での農林業被害額は年間約39億円にのぼります。そのため、行政による計画的な個体数管理(捕獲)が行われていますが、単なる「害獣駆除」ではなく、捕獲した個体をジビエ(食肉)として有効活用することで、資源としての価値を見出し、人と自然の持続可能な共生を目指す取り組みが広がっています。

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